近視・遠視、そして老眼

小さい頃から、近視だ遠視だ、そして乱視が入っている・などとみなさんお悩みでしたよね。

目はカメラみたいなものなのですが、カメラと違ってまん丸なピンポン玉のようなものです。

その中に、カメラのレンズである「水晶体」があり、奥にはフィルム・CCDと同じ「網膜」が一面に張り巡らされています。

目の前からの光が目に入ってきたときに、ぴったりとフィルムにピントを合わせるために、レンズはその厚さを自動的に変えています。

 

近視とは

どうも成長と共に眼軸という「目の長さ」が通常より伸びてしまうことで、ピントがあいにくくなったり、あるいは、レンズの厚さがもともと厚くて、遠くから来た平行線のような光の束をぴったりフィルムに合わせる=ピント合わせができなくなったのを「近視」と呼びます。

実は、普通の人は、ボーッと遠くを見ている時がレンズが一番薄い状態になり、そのときに、遠くからの光の束ばぴったりとフィルムにピントが合うのが「正視」つまり目が良いことになります。

普通の人は、近くにみたいものがあるときには、ピント合わせのために、意識することなくレンズを厚くしています。それで近くのものにもピントが合うわけですね。

先の近視の人は、遠くのものにはピントは合わせられない(眼軸が長くなっている、あるいは、レンズを薄くできない)ので、遠くを見る際には、凹レンズを目の前に置いて(メガネまたはコンタクト)、ピントを合わせることができるわけです。そうした状態になれば、今度は、近くを見るときには自分の中のレンズを厚くして、ピント合わせができるのです。

 

学童などで近視が進んでいく場合が多いので(近視を持つ子供がどんどん増えているようです)、親御さんもご心配のことかと思います。

治療は現在の日本では決定的な薬などはないのですが、生活習慣として、以前から言われている通り、近くで物を見ることを続けるのがよくないようです(眼軸の成長に影響?)。ですので、20−30分くらい物を見ることをしたら、5m以上離れているところを何かボーッと30秒位見ることをするのが良いと言われています。

あと、太陽光のもとで活動するのが良いのではとも言われています。

 

最近のお子様たちの生活パターンでは、なかなか難しいところがありますが、みんなで努力して近視を進ませなくしたいですね。

 

遠視とは

一方、遠視の人は比較的少ないですが、遠くが見えすぎちゃっている状態で、眼軸が短いか、目のレンズが薄いかもしれません。でも、そのままでは、遠くのものも見えませんので、遠くを見るときは少しレンズを厚くしてものを見ています。ですから、遠くが見えないわけではないのですね。その代わり、近くを見るときに、レンズを思い切り厚くしているのですね、苦労が多いわけです。

 

 

老眼とは

実は、このレンズの厚さを変えているのは、レンズの周りについている筋肉(毛様体筋)で、これが収縮(ものを持ち上げるようなもの)して頑張ってレンズを厚くしています。年齢を重ねると、この筋肉の力が弱くなり、レンズそのものも硬くなるからでしょうか?近くを見るときにレンズを厚くするのが苦しくなるわけです。

厚くしていて疲れちゃうと「眼精疲労」にもなりますし、もっと力が入らなくなると、近くにピントを合わせられなくなります。これが老眼ですね。50歳前後から始まることが多いですが、近視の人は、自然体で近くは見えるから、近くのピントは大丈夫なだけど、メガネをかけて遠くを見えるようにしていると、やはり、近くは見えなくなります。遠視の人はもともと近くを見るのに思い切り力を使っていたので、その限界を感じるのはより早いことになります。

つまり、もともとは、みんなレンズの厚さを変えられるオートフォーカスのカメラを持っていたわけですが、年齢と共に「単焦点」になってしまうので、目の前の前後のどこかしかぴったりピントが合わなくなるわけです。これはしょうがないですね。

これをなんとかしたいと思えば、多焦点レンズとか累進加入レンズとか、一つのレンズで遠くから近くまで合うようなものを装着しないとだめんなんですね、悲しいけど。