或る日突然に、下にある絵のように、目の前に白っぽくギザギザしたものが見えることがよくあるのですが、「閃輝暗点」と言われています。
目はカメラの仕事をしているわけですが、一番奥のフィルムである網膜というところで光を感じて、それを電気信号に変換して、脳へ伝達して、はじめてものを見ているわけです。
本来見えないギザギザが見えてしまうということは、目の奥の網膜に異変があるか、脳で見ちゃっているかどちらかです。目で見ているなら、左右どちらかで見えるのでしょうが、この閃輝暗点の場合は、両目で見たときの視野の中で、外側とか右側とかに出ることが多いです。つまり、片目の事件であるわけではないので、両目の情報が集まった脳で見てしまっていることが多いかと思います。
この不思議な現象は、15〜30分くらい続く方が多いようです。
原因ははっきりはしていませんが、頭の頭痛のところでお話しする片頭痛=血管性頭痛の症状で多いことから、脳の中の血管の太さが変わってしまい、脳が変調をきたすので、見えないものが見えてしまったり、視界が狭くなってしまうのです。
片頭痛では、この閃輝暗点のあとにズキンズキンするような頭痛がおきてくることが多いですが、この閃輝暗点だけで終わっちゃう方もいらっしゃいます。
もっとひどい方は、手足や唇の周りが痺れたり、手足の動きが悪くなるような、脳卒中に似た症状が一時的に出ることがあります。
ご本人様にとっては、非常に奇妙な体験ですし、ご心配かと思います。
目の奥に病気がないかということもチェックした方がいいですが、それだけではなく、脳での事件ですので、一度は「脳」を調べた方がいいと思います。たまたま自分は脳と目のことがある程度解りますので、目と頭の両面から相談させていただければと思います。
こんなイメージでしょうか?白いギザギザという方が多いです。
もっとひどくなると、視野の周りがはっきりしなくなり、見える範囲が狭まってきちゃうようです。
谷眼科医院
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